動物福祉,  犬について

愛玩動物飼養管理士

愛玩動物飼養管理士という資格について聞いたことはあるでしょうか。この資格は、ペットのスペシャリストとして公益社団法人日本愛玩動物協会が認定する資格で、これまでに全国で約22万人が取得しています。(協会HPより)

日本愛玩動物協会は活動目的の一つとして、動物の適正飼養管理の知識及び愛護精神を普及することを掲げており、愛玩動物飼養管理士には、その普及啓発活動を行うために必要な知識・技能を習得していることが求められます。

では、どのような知識・技能かといいますと、具体的には次のようなものです。

1.ペットとして飼われる動物の特性と飼い方

犬や猫に加えて、ウサギやハムスターなどの小動物、鳥、爬虫類など、動物ごとのライフサイクルとそれに応じた健康管理、かかりやすい疾病とその予防、毎日の手入れの仕方などの基本的な知識や、必要とする栄養素などに関する基礎知識(栄養学)など

特に犬に関しては、その歴史や生態(犬の社会やコミュニケーションの仕方など)、社会化としつけ、問題行動の予防や対処などを含みます。

2.人と動物の関わり(人と動物の関係学)

動物が人の心や体に与える影響、子供の発達における動物の役割、動物介在教育、飼い主のマナーとペットに関するトラブル、災害対策、終末医療と看取り、ペットロスなど

3.動物に関する法律

動物の愛護及び管理に関する法律、狂犬病予防法、ペットフード安全法、その他の動物に関係する法令(公衆衛生や薬物に関わる法令、動物飼養上のトラブルにかかわる法令、野生動物の保護に関する法令など)

4.動物愛護

動物愛護論とその歩み、アニマル・ウェルフェア(動物福祉)について

5.その他一般

動物のからだの仕組みと働き、遺伝、栄養素、病原体、共通感染症などに関する基礎知識

これらについて協会の通信教育により体系的に修め、所定の試験に合格し、認定登録を受けると資格を取得することができます。

トリミングサロン、ペットシッターやトレーナーあるいはブリーダーなどペット関連のビジネスを新たに始めるにあたり資格をとる人もいますが、ペット業界で働く人以外にも、飼っているペットのために取得する、動物関係のボランティア活動をきっかけに取得するといった人も少なくありません。

単に動物それぞれの特徴や世話のしかただけでなく、動物の習性(その動物がとる行動や形成する社会など)まで掘り下げて学ぶことにより、これらの動物についてより深く知ることができますし、加えて、動物が人に与える影響、災害対策、ペットロスや法律に関する知識など、人とその社会におけるペットに関する幅広い知識を得ることができます。

ペットに関してこれだけ幅の広い知識を習得できる資格は他に見当たりませんので、ペット業界で働く人以外でも、動物に関心のある人にとって、資格をとることは大きなメリットがあると思います。また、動物に関する包括的な知識を習得することは、自身の興味のある分野に関して、更に学ぶきっかけにもなります。

個人的には、資格取得のために得た知識に加え、犬についてもっと知りたいと思い、このサイトの「動物に関するお勧めの本」で紹介するような動物行動学者の本などを読むこともありますが、犬の行動や習性、認知能力、神経やホルモン、遺伝子のしくみ、人間と犬の関係が生まれた起源など、興味は尽きません。

相手を理解することによって、より深い信頼関係を築くことができるというのは、相手が動物であっても同じはずです。愛玩動物飼養管理士の資格をとることによって得られる知識は、そのために必ず役立つものと思います。

そういった意味からも、愛玩動物飼養管理士の資格を取る人が今後も増え、そしてその知識や技能を活用する場が増えると良いと思います。

朝から良い天気
今日も暑くなりそう!
そして散歩の後は、、、