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犬を飼うということ(2)~飼うなら子犬から?

犬を飼うのであれば、ペットショップやブリーダーで子犬を、と考える人が多いと思います。できるだけ早いうちから飼い始めたほうが飼い主に懐くと言われることもあります。身近にあるペットショップに並んでいるのは皆、かわいい子犬(や子猫)たち。だから、子犬から飼うのがあたりまえのことのように思いがちです。私も以前はそんなふうに思っていました。

ですが、子犬は世話やしつけをしっかりしないといけませんので、ホントに手がかかります。もちろん、そのことをわかったうえで、しっかりしつけをして育てられれば、何の問題もありません。でも、犬を飼うのが初めての場合、それなりの覚悟が必要となります。

そんなことを考えると、成犬を飼うということを選択肢に加えても良いのではないかと思うのです。成犬であれば、それまでの経験を通じて、やって良いこと、悪いことがわかるようになっていたり、トイレなどのしつけができていたりすることもあります。そういう犬であれば、あとはその家のやり方に慣れるだけ。子犬にくらべるとはるかに手がかかりません。それに、成犬は懐きにくいなんて、全くそんなことはありません。成犬であっても、飼い主に懐きますし、子犬だって飼い主の接し方が悪ければ、懐くとは限りません。

成犬はペットショップにはいませんが、地元の愛護センターや保護団体に保護されている成犬を引き取るという方法があります。保護犬というと、特殊な存在で、飼うのが大変そうと思うかもしれません。確かに、皆、つらい経験をしてきた犬たち。でも、人との暮らしに慣れ、社会化できている犬もいます。その犬のことを知りたいと思えば、保護団体の人から、詳しく教えてもらうこともできますので、そのようにして、自分に合った犬を探せば良いのです。保護団体の人から、その犬の性格や特徴、健康面のこと、生活するうえで気を付けることなど、詳しく教えてもらうことで、きっと自分と相性がぴったりの犬と出会えると思います。あとは、新しい家が、その犬にとって、安心できる自分の居場所となり、ここにいて良いんだと思えるようになれば、必ず心を開いてくれるはずです。

保護犬を家族に迎い入れたいと思ったら、インターネットで情報を入手することができます。気になった犬が見つかったら、保護団体に問い合わせ、実際に譲渡会などへ行って、会ってみれば良いのです。団体によって異なりますが、譲渡のときの条件がとても厳しかったりします。譲渡を受ける場合には、飼い主やその家族、住まいなどについて細かい質問を受けたり、少々面倒な手続きがあったりもします。しかし、それは、その犬に二度とつらい経験をさせないため。その犬が幸せに暮らせるか、最期まで可愛がって世話をしてくれるか、確かめるためです。譲渡のための条件やその犬の性格・特徴などについて説明を受けることで、その犬を迎い入れた時のことをじっくり冷静に考えることができるとも言えます。その上で、なお、その犬を飼いたいという気持ちが揺るがなければ、きっとその犬は、飼い主にとって、かけがえのないパートナーとなるに違いありません。

歳をとるにつれて子犬のような無邪気さや活発さは次第に減り、落ち着きが出てきます。でも、そんな静かな時間の流れを通じて、更に飼い主との関係が深まり、かけがえのない存在となる、それが犬を飼うということだと思います。

今日も日向ぼっこ。結構、暑いはずなんだけど。

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