「しっぽ」について
朝、ゆうがリビングの窓から外を見ていたので、声をかけてみましたが、まったく反応がありません。外の様子を夢中になって見ています。もう一度、声をかけたところ、今度は、しっぽは振るものの、外を見続けたまま。まるで、しっぽで「うん、聞こえているよ。」と答えているかのようです。そういえば、ソファに寝そべって眠いときなどにも、このようにしっぽだけで反応することがあります。
しっぽには、感情を表現したり、走るときにバランスをとったり、あるいは、鼻先に巻いて、冷気を防ぐなどといった役割があると言われていますが、よく知られているのは“感情表現”です。嬉しいとき、興奮しているとき、あるいは怖いときなどに、その時の感情をしっぽの動きや位置で示します。動物としては、しっぽの動きで相手に感情を読み取られてしまっても良いのだろうかと思ったりもしますが、犬は社会性が高く、もともと群れで生活してきたこともあって、自分の気持ちとか、意思を伝えることは、他の犬たちと衝突することなく平和に暮らすために、とても大事なことのようです。
しっぽの振り方について、イタリアの研究チームが、2007年と2013年に研究結果を発表していますが、これによると、嬉しい気持ちになると左脳が刺激されてリラックス状態となって、右側にしっぽを振り、ストレスを感じると右脳が刺激されて高い心拍数の状態になり、左側にしっぽを振るのという結果が出たのだそうです。また、他の犬のしっぽの振る方向を読み取り、それに反応することもわかったそうです。
さて、ゆうは、どうかと思って見てみましたが、そう言われてみると、嬉しいと尻尾を右側に振っているようです。でも、嬉しくてしょうがないときには、尻尾だけでなく、腰もくねくねと一緒に振るので、しっぽもつられて、右にも左にも振れるようになります。段々と気持ちがたかぶってくると、ブンブン振り回すようになり、更に興奮してくると、しっぽが回転してしまうことも。うーん、これでは研究結果と一致しているのかわかりません。
ゆうのしっぽは、普段は柴犬のようにくるんと巻いていますが、柴犬のしっぽより少し長めなので、ふり方が激しくなってくるとカールがほどけてきて、家の中だと、そばにあるテーブルなどにあたったりすることも。自分でも、あれ?と振り返ったりして、それが何とも可笑しくもあり、可愛くもあります。
しっぽに何とも言えない魅力を感じてしまうのは何故なのか。思うに、しっぽが、その犬の気持ちを正直に伝えてくれるからなのでしょう。