変わっていくためには
数値規制が来年6月に施行され、8週齢規制などと合わせて繁殖業者やペットショップに対する規制が厳しくなります。7月10日に環境省が示した素案をもとに秋頃には最終案が出来るそうです。素案にはまだ改善すべき点もあるようですが、繁殖や販売に使われる犬猫の動物福祉を向上させるうえで大きな前進であることは間違いありません。
今後は、悪質業者に対する行政の取り締まりは増えると思いますが、それでも法律で規制し、違反するものを取り締まれば、問題が解決するということではないように思います。
これまでは行政の取り締まりに限界があったため、悪質な繁殖業者の実態は、報道御番組で取り上げられるような場合を除くとニュースなどで報道されることは限られ、皆が知るまでには至っていなかったように思います。
しかし、取り締まるケースが増えれば、社会問題としてニュースでも取り上げられる機会も増えるのではないかと思います。そうなれば、これまで以上に、より多くの人の関心を集めるのではないでしょうか。
多くの人が知ることによって、大きく変わる可能性があるはずです。
悪質な繁殖業者や流通の問題が知れ渡ることで、犬や猫を飼おうとしたときにどこから迎えるかを真剣に考えるきっかけとなることを期待したいと思います。そうすれば、飼うなら保護犬保護猫をと考える人が増えるかもしれませんし、そうでなくても、飼おうとする犬や猫の健康に関わるとても大事なことでもあることから、母犬、母猫がどんな犬、猫でどんな環境で飼われているのか、健康状態や性格、ブリーダーはどのような人なのか、といったことに関心を持ち、そういったことをペットショップで店員に聞く人が増えるのではないでしょうか。その様な声が増え、大きくなれば、ペットショップのあり方も、変わってくるはずです。
身近なところでは、スーパーで売られている野菜であっても生産者情報を出すことで、消費者に対して安全性の面から安心感を与えている例があります。
これからはペット業界にも透明性が求められていくのではないでしょうか。
こういった変化が大きな動きとなれば、きっと良い方向に変わっていくはずです。
多くの人が関心をもって行動を起こし、それをきかっけとして変わるようになれば、本当の意味で動物福祉の先進国に近づくのではないでしょうか。