動物福祉

数値規制について

7月10日、環境省より、犬や猫の繁殖業者やペットショップで働く人1人あたりの飼育数に上限を設けるなど、繁殖業者やペットショップなどが犬猫を飼養する際に遵守すべき具体的な基準を設けた規制案が示されました。

昨年成立した改正動物愛護法によって、動物虐待に対する罰則が厳しくなり、また、繁殖業者やペットショップなどに対する規制が強化されています。飼い主がペットを捨てた場合、これまでは100万円以下の罰金でしたが、1年以下の懲役刑が加わりました。ペットを殺したり傷つけた場合、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されますが、これはこれまでの2倍以上となる厳しい罰則です。
繁殖業者やペットショップなどに対する規制強化としては、来年6月から、出産後56日(8週)までは子犬や子猫を母親から引き離すことが禁止される「8週齢規制」が始まります。

そしてもう一つ、繁殖業者やペットショップなどに対する規制として注目されていた改正ポイントが、繁殖業者やペットショップなどが犬猫を飼養する際に遵守すべき基準です。改正法では、環境省が以下の点について、出来る限り具体的に定めることになっています。
① ケージなど犬猫を飼養する場所の大きさや構造
② 世話をする従業員の人数
③ 採光や温度・湿度、換気、その他、動物を飼養する環境
④ 獣医師による健康診断など病気や怪我に対する処置
⑤ 展示や輸送の方法
⑥ 出産回数など繁殖方法
⑦ その他の必要な事項

改正前は、「ケージ等は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとすること。」、「飼養又は保管をする動物の種類及び数は、(中略)保管に当たる職員数に見合ったものとすること。」、「みだりに繁殖させることにより母体に過度な負担がかかることを避け、(中略)その繁殖の回数を適切なものとし、」といったような、やや抽象的な表現によって基準が設けられていたため、基準に違反しているかどうかの判断が難しく、自治体が悪質な業者を取り締まることを躊躇するケースがあったようです。

今回の改正では、数値などによって基準を明確にして、「悪質業者に自治体がレッドカードを出しやすくすることを目指している(環境省)」のだそうです。この数値規制は、来年6月までに施行される環境省令によって定められることになっています。

7月10日に示された規制案では、ケージの寸法、従業員一人当たりが飼養できる犬猫の頭数、繁殖にあたり交配する雌犬・雌猫の年齢の上限などが具体的な数値で定められおり、全体としては、悪質な業者に対し、これまで以上に厳しく対処する姿勢が伺えるものになっているようです。ただし、個々の基準案を見ていくと、繁殖に際しての年齢の下限や生涯の出産回数の制限がなかったり、平飼い用のケージで2頭の犬を飼う場合の広さが十分ではないなど、更に踏み込んだ規制とすべきという声も上がっています。

最終的な規制案ができるまでに、もう一度、環境省の検討会で議論されるということですが、動物福祉の観点から納得できるものとなることを願っています。

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