犬について

犬と猫 それぞれが辿った進化

犬と猫は、野生動物だった祖先が進化していく過程で、人と出会い、飼いならされたことにより、犬(イエイヌ)と猫(イエネコ)になりました。ですから、野生動物にはない特性を持っています。

その特性とは、自分とは違う種類の動物である人を自分の家族や仲間のように位置付け、一緒に暮らすことによって幸せを得られるという点に他ありません。また、犬や猫は、時には、飼い主のもとで共に暮らす他の動物のことも、同様に受け入れることができます。これが、犬と猫の最大の特徴だと言えると思います。

その一方で、犬と猫は、まったく異なる性質を持っています。飼い主に従順で、かまってあげると尻尾を振って喜びを表す犬に対して、猫は飼い主に媚びず、かまわれすぎるのは苦手。でも、かまって欲しい時には甘えた声で鳴いたり、すり寄ってきたり、、、対照的とさえ言えるくらい違います。

犬と猫の祖先をたどると、どちらも今から約6,500万年前(恐竜が絶滅して哺乳類が発展していった時代です!)から4,800万年前に生息していたといわれるミアキスという肉食性の動物に行きつくそうですが、その後の進化で、それぞれが大きく異なる道を歩んできたと言われています。

ミアキスは森林地帯に生息し、単独で行動していましたが、その中から草原に移り住むものが現れ、イヌ科の動物へと進化していったのだと言われています。草原で狩りをして生きていくためには、仲間と共同で獲物を追いかける必要があったため、群れを作るようになったのだと考えられています。

一方で、森に残ったミアキスは、物陰に隠れて獲物を待ち伏せ、捕らえる方法で狩りを行ってきました。単独で生き延びていくためには、自分以外は敵とみなし警戒する必要があったわけです。この森林に留まったミアキスが猫の祖先となったのだそうです。

犬と猫は、人と出会った時期や人との関係も異なります。犬が人と共に暮らすようになったのは、今からおよそ4万年~5万年前の狩猟時代のことで、それ以来、長い時間をかけて人と共生するための進化をとげてきました。また、人は犬を訓練して、パートナーとして仕事をさせてきました。狩猟の手伝いから始まり、農耕時代になると牧羊犬、荷車やそりなどで物や人を運ぶ運搬犬、家や家畜を守る番犬などの役割を与えられてきたのです。人のために仕事をしたり、あるいは人と一緒に働くためには、人とのコミュニケーションは欠かせないため、それに長けているものが増えていったのだと考えられています。

猫は、本来持つ捕食動物としての特性を生かして、穀物庫などに来るねずみを退治する役目を担ってきました。人によって訓練され、与えられた役割をこなすのではなく、自らの意志で行動していたわけです。また、猫が人と暮らし始めたのはおよそ1万年ほど前の農耕時代からですので、犬が人と歩んだ年月と比べれると、ずっと短く、今でも野生の性質を残しています。しかし、人の世話を受け、獲物がとれなくても、餌を与えられることによって飢える心配がなくなると、単独で行動していた猫の中から、他の猫と一緒に行動するものが現れてきました。このように異なる歴史をたどり、犬と猫は、ペットとしての地位を固めていったのです。

人と一緒にいることに安らぎや幸せを感じるという点では、犬も猫も同じですが、それぞれの進化の過程に目を向けると、犬と猫の行動や性質に大きな違いがあることにも、うなずくことが出来ます。

桜の花びらが、

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