「ベイリーとゆいちゃん」~犬と人の特別な絆
ちょっと前になりますが、1月27日に放映されたNHKスペシャル「ベイリーとゆいちゃん」を観ました。ご覧になった方も多いと思いますが、日本で最初の大病院専属セラピー犬として活躍するベイリーと、重い病と決別するために大手術を受ける少女、ゆいちゃん(当時10歳)の病院での日々を追うドキュメンタリーです。ベイリーはゆいちゃんに寄り添い、それによってゆいちゃんは元気づけられ、苦難を乗り越えていきます。ベイリーとゆいちゃんの心のふれあい、心の交流が伝わり、犬が持つ特別な力に気づかされます。
実際、ここ数年、ドッグセラピーによる効果が広く認められるにつれて、全国の医療現場へのセラピー犬の導入が増えてきているそうです。
犬以外の動物(身近なところでは猫やその他のペットなど)と触れ合うことでも、癒しの効果が表れることは知られています。でも、犬派の私としては、犬と人との間には特別な関係があると思っていました。
ペットと触れ合うことで人は癒されますが、犬との場合、人が一方的に癒されるのではなく、犬も人と心を通わせることで嬉しい気持ちになり、確かに幸せを感じている、犬と人の間には、互いに相手との絆を強く感じる特別な関係が存在するのだと。
そのことが、番組では科学的に説明されています。
人と犬が見つめあうことで、人にはオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは神経ホルモンの一種で、相手を思いやる気持ちや、繋がりたいという気持ちを強める働きがあります。大量に分泌されると、相手への信頼が深まり、相手の役に立ちたいという思いが強くなります。
麻布大学の菊水健史教授の研究によると、人と見つめあうことで犬の側にもオキシトシンが分泌されることがわかったそうです。番組の中で、菊水教授は、このように話しています。
『犬と人の間にオキシトシンによって絆を結ぶような関係が生まれます。オキシトシンが出る絆というのは特別なもので、人と犬の間に親子、夫婦あるいは家族のような非常に強固な絆が出来ていることを意味しているのです。』
犬と人の間には、種を超えて互いを思いやり、愛情を感じ合うしくみが確かに存在するのです。
人と犬がいつから共生を始めたかは科学的には明らかになっていないそうですが、それは3万年前とも4万年前とも言われています。遥か遠い昔に、人と犬の祖先である狼とが出会い、長い歴史の中で、共に支え合いながら歩んできたことによって、互いに愛情を感じ合うしくみが育まれ、犬と人だけに存在する特別な関係が築かれてきたのだそうです。
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