保護犬について,  動物福祉

今、起きていること

動物愛護センターに収容された犬たちの里親を求めて、愛護団体や個人で保護活動をされている方の投稿が、日々、インスタグラムにアップされています。先週、地方のある愛護センターに収容された野犬たちの里親を求める投稿に目がとまりました。収容された部屋の隅にうずくまり顔を壁に向けていたり、震えている子の姿もありました。とても怯えている様子が伝わってきます。

この犬たちの様子が気になり、何度もインスタグラムをチェックしてしまいました。期限までに引き取る人が現れない場合、この子たちの未来はないのだと考えると、その度に胸が締め付けられる思いがします。幸いなことに、このとき投稿されていた犬たちは皆、ぎりぎりで引き出されたそうです。ホッとして力が抜けるのを感じました。

ですが、このようなことは、全国のどこかで毎日のように起きています。まさに命のリレーです。
環境省が毎年発表している統計資料によると、平成30年度には、7,687頭の犬、30,757頭の猫が引き取られることなく殺処分となっています。

どんな犬、どんな猫であっても皆、かけがえのない命であることに違いはないはずですが、ペットを大切に思う家庭に引き取られて安心して暮らしていける犬猫たちがいる反面、救いの手が期限に間に合わず命を奪われてしまう犬猫たちがいます。インスタグラムに上がっている1頭、1頭の姿を見ていると、本当にやりきれない思いになります。

先ほどの環境省の統計資料によると、収容された犬・猫のうち、飼い主に返還されたり、里親や保護団体に譲渡される割合(譲渡率)は年々、増えており、平成30年の譲渡率は58.4%でした。犬だけですと譲渡率は78.9%です。ですが、資料を見ていくと、愛護センターに収容される頭数は減っているものの、返還・譲渡数は大きく変わっていないことがわかります。つまり、現在もまだ、民間の保護団体や活動家による引き出しに頼っているのが実態です。

不幸な犬や猫を減らすためには、受け入れてもらえる里親さんの間口を広げていくこと、そして、愛護センターに持ち込まれる犬・猫たちをさらに減らしていくこと、そのどちらも必要です。

動物に優しい社会であって欲しいと願うばかりですが、そのように変わっていくためには、今、実際に起きている状況について、より多くの人に知ってもらうことが欠かせないと感じずにはいられません。

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