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カリフォルニア州のペット販売規制

米国カリフォルニア州では、今年の1月より、ペットショップで販売できる犬、猫、ウサギは、アニマルシェルターなどで保護された犬、猫、ウサギに限定するという法律(The Pet Rescue and Adoption Act, Assembly Bill 485)が施行されています。

この法律ができた背景には、コストを抑えて沢山の子犬や子猫の繁殖を行う「パピーミル」(子犬工場:Puppy mills、猫の場合、子猫工場:kitten factories)と呼ばれる、繁殖業者の存在があります。

「パピーミルでは、多くの場合、動物たちに十分なフードや水、医療上のケアが施されず、不衛生で過密な状態に置かれ、その結果、度々、感染症、遺伝子疾患、問題行動などの数々の健康上の問題が発生している。」この法律を立法するにあたり作成された概要書(ファクトシート)は、このような問題を指摘しています。

法律に従い、シェルターに保護されたペットたちを販売することで、ペットショップは、保護されたペットたちの新しい家族を探す役割を担うことになります。また、パピーミルからペットを仕入れることが無くなることで、パピーミルにおける劣悪な環境での繁殖を抑制することにも繋がると期待されています。

この法律が制定される前から、カリフォルニア州の33の市や群では、パピーミルで繁殖されたペットをペットショップで販売することは、禁止されていたそうですが、州法として施行されることによって、他の州でも同様な法律を制定する動きが出ているそうです。

パピーミルの問題は、米国以外でも、広く存在します。イギリスでは、子犬や子猫を仲介販売することを禁止する動きがあるそうです。

日本でも、パピーミルのような悪質な繁殖業者や、子犬や子猫の競り市(オークション)、売れ残った犬や猫を安価で買い取り、劣悪な環境で飼育する「引き取り屋」の存在が指摘されており、ペットショップで販売される子犬や子猫の流通の不透明さが、大きな問題であると言われています。

カリフォルニア州のように、日本でも将来、ペットショップで販売する犬や猫を保護犬、保護猫に限定することになるかは、まだわかりません。それでも、今、私たちができることは、ペットへの虐待につながる繁殖、飼育、流通に対して、はっきりとNOと言えるように、犬や猫を飼うときには、迎い入れる犬や猫が、どういった場所で生まれ育ったのか、どのような環境でこれまで過ごしてきたのか、しっかり確認していくことなのではないかと思います。

The Pet Rescue and Adoption Act, Assembly Bill 485(英語)

土曜の朝、広場を散歩

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