シニアが犬や猫を飼うことについて
一般社団法人ペットフード協会による2019年の犬猫飼育実態調査によると、全国の犬の飼育頭数は、879万7千頭、猫は977万8千頭だそうです。犬は減少傾向にありますが、猫の頭数は穏やかながらも年々、増えています。70歳代では、10.4%の人は犬を飼っており、7.9%の人は猫を飼っているという結果が出ていますが、この割合は、過去5年間を見ると犬はほぼ横ばいで、猫はやや増加しているそうです。
また、70歳代の人の中には、犬や猫を飼いたいけれど、最後まで飼育する自信がないので、飼うことをあきらめている人も多いようです。シニアの人が犬や猫を飼うにあたっては、病気や怪我などによって世話が出来なくなってしまわないかといった健康面での不安がつきまといますので、万が一、世話が出来なくなった時に家族などが代わりに世話をできるような場合を除くと、ペットを飼うことをあきらめるケースが多いのではないでしょうか。
一方で、2月に総務庁が発表した65歳以上の高齢者の数は、3,585万7千人(2019年9月1日現在)となり、過去最多を更新しています。この数は、総人口の28.4%を占めており、2040年には3,920万6千人(総人口の35.3%)に達するという予測になっています。(注:予測は国立社会保障・人口問題研究所による)
このような数値を見ると、この先、シニアの人で犬や猫を飼っている人や、飼いたいと望む人の数は増えていくものと考えられます。
ペットフード協会の調査でも、70歳代の人が犬や猫を飼う理由で最も多かったのは、「過去に飼っていたことがあり、また飼いたくなったから」で、これに「生活に癒し、安らぎが欲しかったから」が続いています。犬や猫と暮らすことによって、その存在が生きがいとなったり、世話をすることによって心身が活動的になったりということも期待できます。また、犬であれば、散歩は適度な運動となりますし、ほかの飼い主さんと交流するきっかけにもなります。(ペットと暮らすことによる効用については、「犬や猫がもたらしてくれるもの」をご覧ください。)
これからはシニアの人たちであっても、不安を感じることなくペットと暮らせる社会を目指していくことが必要になるように思います。シニアになってもペットを飼うのをあきらめなくて良いように、そのためにどのようなしくみを整えていくのが良いかを考える時期に来ているのではないでしょうか。